公開日 2026.06.23 更新日 2026.06.23

エンジニア向けの採用広報は必要?手法や事例、はじめかたを解説

エンジニア採用市場の競争が激化するなか「求人を出しても応募が来ない」「スカウト返信率が低い」と悩む企業は少なくありません。

特に近年は給与や福利厚生だけでは差別化が難しくなり、企業の技術文化や開発環境、AIへの取り組み姿勢まで見られる時代になっています。

そこで重要性が高まっているのが「エンジニア採用広報」です。

本記事では、エンジニア採用広報が必要な理由から、具体的な手法、発信すべき内容、成功事例、失敗例まで詳しく解説します。

目次

エンジニア採用広報はなぜ必要なのか

採用広報とは

採用広報とは、求職者に向けて企業の魅力や働く環境、カルチャーを発信する取り組みです。

具体的には以下のような施策があります。

  • 採用ブログ
  • オウンドメディア
  • SNS発信
  • イベント開催
  • 採用ピッチ資料

採用広報についてはこちらの記事でも詳しく解説していますので、併せてご覧ください。

関連記事:採用広報とは?戦略的な難しさから成功に導くRPO活用法まで徹底解説

エンジニア採用広報とは

エンジニア採用広報とは、技術環境や開発組織に関する情報を発信し、エンジニアの採用強化につなげる取り組みです。

一般的な採用広報の発信内容に加え、以下のような情報が重視されます。

  • AIの活用状況
  • サービス、プロダクトの技術詳細
  • 開発体制
  • スキルアップへの取り組み
  • エンジニアのキャリアパス

詳しくは「エンジニアの採用広報で発信すべきこと」の章で解説しますが、具体的な技術の話を扱うため、社内のエンジニアの協力が必要不可欠です。

そのため、通常の採用広報とは切り分けて、施策や運用体制を検討する必要があります。

エンジニア採用広報が注目される背景

「求人を掲載しても応募が来ない」「選考途中で他社に競り負けて辞退されてしまう」といった悩みを抱える採用担当者も多いのではないでしょうか。

「エンジニア採用が難化している理由と市場の変化」で後述する通り、エンジニアは採用難易度が非常に高い職種です。

次の章でご紹介する転職サイトdodaの調査データからもわかる通り「エンジニア(IT・通信)」の求人倍率は10.36倍で、エンジニア1人に対して求人が10以上ある状況です。

そのため企業は必然的に「選ばれる立場」となっており、エンジニアが知りたい情報を開示していない会社は、それだけで転職先の候補から外れてしまいかねません。

こうした背景から、いま多くの企業がエンジニア採用広報に力を入れ始めています。

エンジニア採用が難化している理由と市場の変化

エンジニアの求人倍率は約10倍

転職サイトdodaの調査データによると、転職求人倍率の全体平均が2.38倍であるのに対し「エンジニア(IT・通信)」は10.36倍となっています。

この数値をみても、他職種と比較して圧倒的に倍率が高く、激しい需給ギャップがあることが伺えます。

参考: ※転職求人倍率レポート(2026年4月)【最新版】より

AI時代に突入しても、エンジニアの採用需要は減らない

生成AIの普及により、一部で「エンジニアの需要が減るのでは」という声を耳にします。

しかし、実のところエンジニアの需要は今後も変わらず、増える可能性さえあるのです。

エンジニア向けの転職プラットフォーム等を運営するpaiza株式会社が生成AI時代の採用需要について調査したアンケートでは、7割以上が「需要は変わらない、もしくは増える」と回答しました。

【3年後、ITエンジニアの採用人数はどうなると思うか?】

  • 変わらない 46.6%
  • 増える 27.5%
  • 大幅に増える 3.2%

参考: ※ITエンジニアの未来予測:生成AI普及後も採用人数は「変わらない」が46.6%、「増える」が30.7%【paiza生成AI調査レポート】より

企業選びに“AIの取り組み”を重視するエンジニアが急増

さらに生成AIの普及により、転職を考える際「企業がAIを積極活用しているか」を重視するエンジニアが増えています。

株式会社キッカケクリエイションが2025年12月に行なった調査によると、「今後転職を検討する場合、勤務先が生成AIを業務に活用していることは、企業選びの条件になりますか。」(n=431)の質問に対し、「必ず条件に含めたい」が26.0%、「できれば条件に含めたい」が49.7%という結果になりました。

AI活用はもはや一企業の目標にとどまらず、エンジニア転職市場における検討要素の一つとなっています。

また、株式会社SHIFTが2026年4月に発表した『所属企業における生成AI活用に関する意識調査』でも「転職を考える際、生成AIの取り組みが企業選びに影響するか」(n=2750)という問いにおいては、「影響する」と回答した人が68.9%ともっとも多く、全体の約7割を占めています。

このデータからも、エンジニアが企業のAI活用をどれほど重視しているかわかるのではないでしょうか。

そのため、AIの活用状況について発信を強化していくことが、今後より重要になると考えられます。

参照:株式会社キッカケクリエイション『ITエンジニアのAIツール活用に関する実態調査』、株式会社SHIFT『所属企業における生成AI活用に関する意識調査』

エンジニアはキャリアへの不安を感じている

また、技術進化が速い時代だからこそ、約7割のエンジニアが以下のようなキャリア課題を感じています。

株式会社Value marketが2025年6月に行なった調査で「今後のキャリア形成を考える上で、どのような点に最も課題を感じているか」を尋ねたところ、「自らの市場価値(年収・スキル)の不透明さ」や「業界や技術の変化についていけるかの不安」など、多くのエンジニアが今後のキャリアに不安をかかえていることが明らかになりました。

そのため、企業が提示するキャリアパスやキャリアアップ支援に関する取り組みが、今後さらに注目されるようになるでしょう。

参照: 株式会社Value market【ITエンジニアのキャリアとAI活用に関する意識調査 2025】

エンジニアが企業選びで見ているポイント

エンジニアが企業選びをするうえで注目しているポイントは、企業が提示するキャリアパスやキャリアアップ支援、ほかにもAIの活用状況などがあるというお話をしてきました。

ほかに、エンジニア転職における企業選びのポイントは何があるのでしょうか。

AIの活用状況

前述した通りAIの活用状況は、エンジニアが企業を選ぶうえで重要な判断材料の一つとなっています。

これは、単にAIツールを導入しているかではなく、実際の開発プロセスや業務にどのように組み込まれているかが重視されています。

たとえば、コード生成やレビュー支援、ドキュメント作成などにAIを活用している企業は、生産性向上への意識が高いと評価される傾向があります。

一方で、導入だけにとどまり運用が伴っていない場合は、形骸化していると見なされることも。

そのため、AIを前提とした開発環境や運用体制が整っているかが、企業の魅力度を左右する要素となっています。

どんなAIをどんな業務でどんなふうに活用しているかについて積極的に情報発信することが、エンジニア採用広報の成功のカギになるでしょう。

技術スタックより「技術への向き合い方」

エンジニアが企業を選ぶ際、その企業がどんな技術を使っているかはもちろん大事な情報となります。

しかし、それ以上に「なぜその技術を選んだのか」「技術的負債にどう向き合っているか」という使用している技術スタックそのものよりも、「技術への向き合い方」が重視される傾向があります。

たとえば、新しい技術を取り入れる姿勢や、技術的な意思決定の透明性、現場のエンジニアが主体的に改善提案できる環境があるかどうか、また、短期的な効率だけでなく、中長期的な保守性や品質を考慮した開発が行われているかなども重要なポイントです。

このように、企業がどのような思想で技術を扱っているかが、エンジニアにとっての魅力度を大きく左右します。

技術に対する企業の思想や投資姿勢が見られていることを意識しましょう。

開発文化・レビュー文化

開発文化やレビュー文化も、エンジニアが企業を選ぶうえで重要な要素です。

たとえば、コードレビューが単なるチェック作業ではなく、知識共有や品質向上の場として機能しているかどうか、また、レビューのスピードやフィードバックの質、心理的安全性が保たれているかも重要です。

<エンジニアが重視する文化一例>

  • コードレビューは丁寧に行われているか
  • ドキュメント文化は定着しているか
  • アジャイルやスクラムなど、どんな開発プロセスが取り入れられているか etc.

建設的な議論ができる環境や、チーム全体で品質を高めていく文化がある企業は、成長機会が多いと評価されやすい傾向にあります。

こうした日々の開発プロセスのあり方が、エンジニアにとっての働きやすさややりがいに直結します。

これらは入社後の業務をイメージする上で大事な情報となるため、企業選びの際にチェックされることが多い内容です。

意思決定プロセスの透明性

意思決定プロセスの透明性も、エンジニアが企業を選ぶ際に重視されるポイントです。

技術選定や仕様変更の背景が共有されているか、誰がどのような基準で判断しているのかが明確であるほど、納得感を持って開発に取り組むことができます。

また、現場のエンジニアが意思決定に関与できる環境かどうかも重要です。

プロセスが不透明な場合、手戻りや不信感が生まれやすくなります。

こうした透明性の高さは、開発の効率だけでなく、チーム全体の信頼関係にも大きく影響します。

成長環境・キャリア形成

前述でもあった通り、キャリア形成や成長環境も重要なポイントです。

「会社がどんなふうにスキルアップを支援しているか」「入社後どんなキャリアが目指せるか」を重視するエンジニアが増えています。

スキルアップ支援に関する取り組みやキャリアマップなどを公開することで、企業の魅力付けにつながります。

<スキルアップ支援の取り組み例>

  • 技術書購入補助
  • カンファレンス参加費用の支援
  • メンター制度
  • 社内勉強会

また、評価制度やキャリアパスが明確で、自身のスキルや志向に応じて成長できる環境が整っているかも重視されます。

加えて、メンター制度やナレッジ共有の仕組みがある企業は、継続的なスキル向上がしやすいと評価される傾向にあります。

カルチャーフィット

数字やスペックには表れない「居心地の良さ」もよく見られるポイントです。

企業の価値観や働き方が自分に合っているかどうかは、長期的に働くうえでの満足度に大きく影響します。

たとえば、スピードを重視する文化なのか、品質や安定性を重視する文化なのかによって、求められる働き方は大きく異なります。

また、チーム内のコミュニケーションの取り方や意思決定のスタイルが自分に合っているかも重要なポイントです。

こうしたカルチャーの相性は、スキル以上に働きやすさやパフォーマンスに影響するといえます。

チームの雰囲気、心理的安全性、お互いをリスペクトし合う風土があるかなども大事な情報となるため、ぜひ発信材料として検討してみてください。

エンジニア採用広報の主な手法9選

ここではエンジニア採用広報の主な手法について、得られる効果やよくある企画例などとあわせて9つ紹介します。

タッチポイント別の効果的な施策は以下の画像の通りです。

目的に合った手法を選定するための参考にしてください。

記事コンテンツの作成

社員インタビューや開発秘話、社内イベントの様子などを記事にして公開する手法です。

主に求職者に自社の理解を深めてもらうことを目的に活用されます。

技術的に深い内容はテックブログ(技術者がつづる技術的なブログ)に委ね、この記事コンテンツでは「人や組織」にフォーカスして企画を検討するようにしてみてください。

働く人の人となりや組織のカルチャー、プロダクトにかける想いなどをエモーショナルに伝えることで、求職者が職場の雰囲気をリアルにイメージできるようになります。

結果として内定者の入社意欲の醸成や、カルチャーミスマッチによる早期離職の防止に効果を発揮します。

<よくある企画例>

  • プロダクトの開発秘話
  • 社員インタビュー
  • 対談・座談会(新卒エンジニアなどの括りで)
  • 社内制度の紹介
  • オフィスツアー
  • イベントレポート

公開先は他のコンテンツへの回遊を狙える「自社採用サイト」が最もおすすめですが、すぐに実装が難しい場合は、noteやWantedlyなどのプラットフォームを活用しても全く問題ありません。

テックブログの運用

開発の中で得た技術的な知見(Tips、トラブルシューティングなど)をエンジニア自身が発信する手法です。

エンジニアの主体的な協力が必要不可欠となるため運用のハードルは高いものの、技術力の高さやアウトプットを推奨する文化をアピールできるため、強力な採用ブランディングへとつながります。

テックブログが効果的な背景には、大きく4つの理由があります。

技術力でブランディングができる

知名度が高くないスタートアップやBtoB企業であっても、テックブログを通じて「実は面白い技術的挑戦をしている会社」であることを社外にアピールできます。

「中の人」の雰囲気が伝わる

記事の書き方、トラブルシューティングのプロセスなどから、チームの雰囲気や技術に対する誠実さが伝わります。

採用プロセスの効率化とミスマッチの防止

応募や面接の前にブログを読んでもらうことで、会社の技術や文化を理解した状態で面接に臨んでもらえます。

「テックブログの〇〇をみたのですが…」と求職者から興味のある話題を切り出してもらえることもよくあります。

日常の検索行動から認知拡大へ

業務中の疑問を調べるために検索をした結果、その解決策が貴社のテックブログに載っていたというケースも起こり得ます。

その結果技術的なリスペクトから始まる最高のファーストコンタクトが生まれるのです。

以上の理由から、テックブログの運用を通じて自社の“ファン”を増やし、優秀なエンジニアが自ら応募したくなる仕組みを作ることができます。

なお記事の公開先は採用サイトやQiita、はてなブログ、note、Zennなどがあります。

何よりも発信に関わるエンジニア自身が「使いやすい」と感じるプラットフォームを選定するようにしましょう。

カンファレンスの協賛

「RubyKaigi」「PyCon JP」「iOSDC」といった技各技術コミュニティが主催する大規模なカンファレンスにスポンサーとして協賛する手法です。

スポンサー費用(数十万〜数百万円)や当日ブースを出展するための人的なコストはかかってしまいますが、その技術において最先端の取り組みや投資をしている会社というブランディングができます。

その結果、特定の技術に強みを持つ意欲の高いエンジニア層に対して、自社の知名度を一気に引き上げることができます。

なお技術カンファレンスの開催情報は「Findy Conference」などのサイトにまとめられています。

「スポンサー募集中」のタグがついているものをチェックし、自社のターゲットに合うものを選定してみてください。

イベントの開催

LT(ライトニングトーク)会やMeetupなどのイベントを開催し、集客によって認知拡大を狙う手法です。

企画の事例としては、現場エンジニアやCxOによるトークセッション、技術体験、特定のテーマについて語り合う座談会などが挙げられます。

また、食事やドリンクを片手に現場メンバーと交流する懇親会や、社内の勉強会・レビュー会をそのまま外部に開放するフランクなイベントも効果的です。

社員の友人や知人を気軽に招待できる機会にもなるため、リファラル採用(社員紹介)の活性化にも活用できます。

イベントの規模は大中小さまざまですが、小規模であれば2〜3名での開催事例もあります。

大規模なイベントほど技術アピールや認知拡大に強みがあり、小規模なイベントほど参加者一人ひとりと深いコミュニケーションが取れるというメリットがあります。

イベントを通じて「どんな効果を期待するか」をあらかじめ定義し、最適な規模やテーマを決定することが重要です。

社内資料の公開

社内資料をあえて公開することで組織の透明性をアピールし、入社への安心感や会社への信頼を醸成することができます。

面接や面談の中で言葉で説明をしても「実態は違うのではないか」という不安を感じる求職者も少なくありません。

社内資料の公開が安心感や信頼の醸成につながる背景としては「発言の裏付けになるから」といった理由があります。

なお、よく外部公開されている資料の一例としては、社内勉強会の資料やオンボーディング資料などが挙げられます。

特にオンボーディング資料は、転職者が入社直後に必ず触れるものです。

実際の資料をそのまま見せることで、言葉による説明よりもリアルに「入社後の活躍イメージ」を描くことができるようになります。

採用ピッチ資料の作成

採用ピッチ資料とは、求職者に自社の魅力を網羅的に伝えるためのプレゼンテーション資料(会社紹介スライド)のことです。

企業理念、ミッション、サービス概要、社内制度などの情報をわかりやすくスライドにまとめます。

企業選びに必要な情報を短時間で効率よく伝えられるため、自社の思想にマッチした求職者からの応募を促す上で非常に有効です。

またカジュアル面談や面接の前に目を通してもらうことで、会社説明に充てる時間を短縮でき、限られた面接(面談)時間をより有意義に使うことができます。

採用ピッチ資料について詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。

関連記事:【初心者向け】採用ピッチ資料8選!具体的な作り方と成功のポイントも徹底解説

なお採用ピッチ資料は全職種向けの汎用的なものとは別に「エンジニア向け」にカスタマイズしたものを個別に用意することをおすすめします。

エンジニア向けスライドには、以下のような内容を盛り込むと効果的です。

  • 技術スタック:使用言語、フレームワーク、インフラ構成などを視覚的な構成図にまとめる
  • 開発体制・プロセス:アジャイル開発やスクラムフレームワークの詳細など
  • 組織のミッション:エンジニアリング組織が目指す方向性
  • メンバー紹介:主要メンバーの顔写真と簡単な経歴
  • 評価制度・給与形態:エンジニア向けの評価軸やキャリアパス、報酬基準

作成した資料はSpeakerDeckなどのプラットフォームに公開し、採用サイトの目立つ場所にも配置して導線を作っておきましょう。

技術書の出版

執筆完了までに数カ月単位の膨大な時間がかかり、最も実行ハードルが高いものの技術ブランディングに非常に強力な手法です。

「本を出版できるほどの高度な技術力を持ったメンバーが在籍している」という事実自体が、市場に対する強力なプレゼンスとなります。

また社内エンジニアにとっても執筆自体が大きな成長の機会につながります。

SNSの活用

SNSで開発の裏話や組織のカルチャーなどをカジュアルに発信し、認知拡大を狙う手法です。

比較的ライトに更新できるため、フォーマルな記事では伝わりきらない「リアルタイムな社内の熱量」や「ありのままのカルチャー」を届けることができます。

ただし不定期に低頻度で発信するだけでは、あまり大きな効果は期待できません。

日常的に社員がSNSで発信する文化を醸成し、「タイムラインで見かけない日はない」状態を作ることが重要です。

その結果圧倒的な親近感や認知の獲得につながります。

SNSにはInstagram、Facebook、Youtube、TikTokなど様々なプラットフォームがありますが、エンジニア向けSNSはXの活用がおすすめです。

エントランスブックの作成

エンジニア採用広報に力を入れれば入れるほどnote、SpeakerDeck、Xなど、発信チャネルが増えて情報が点在してしまいがちです。

これらのバラバラにあるコンテンツを1つのページにまとめ、求職者目線でわかりやすく整理したものが「エントランスブック(Entrance Book)」です。

主に採用サイトの目立つ場所に配置したり、面談・面接が確定した求職者へ事前に送付したりして活用します。

<エントランスブックの例>

採用支援サービスなどキャリアデータプラットフォーム事業を展開する企業です。

採用ピッチ資料をはじめ、社員インタビュー、エンジニア組織の詳細情報、求人票などが網羅的に集約されており、ここを見るだけで会社の全体像が掴める構造になっています。

不動産マーケットプレイスや不動産業界向けSaaSなどを展開する企業です。

冒頭に「最終更新日」と最新ニュースが記載されており、こまめに情報がメンテナンスされていることが一目で伝わります。

採用ピッチ資料、テックブログの紹介、開発組織の紹介、カルチャーの紹介など非常にボリューミーですが、目次から気になる情報だけにアクセスできるよう導線が考えられています。

比較的始めやすいのはこの4つ

なにから始めればよいかわからないという方向けに、比較的始めやすい手法として以下4つを紹介します。

これらは採用担当主体で少人数でも始めやすく、成果につながりやすい施策です。

施策 取り組みやすさ 継続しやすさ 期待できる効果
採用ピッチ資料の作成 企業理解の促進
エンジニアのインタビュー記事 入社意欲の醸成
社内資料の公開 企業理解の促進
SNSの活用 認知拡大

また採用ピッチ資料やインタビュー記事はCASTER BIZ recruitingでも請け負うことが可能です。

リソースにお困りの際は、お気軽にご相談ください。

≫CASTER BIZ recruiting|お問合せフォーム

エンジニアの採用広報で発信すべきこと

ここではエンジニアの採用広報で発信するべき内容を6つ紹介します。

AIに関する取り組み

「企業選びに”AIの取り組み”を重視するエンジニアが急増」の章で紹介した通り、

近年企業選びの際にAIの活用状況をチェックするエンジニアが増えています。

日々の開発プロセスや業務の仕組みにどんなふうにAIが組み込まれているか、という実態を伝えましょう。

ただし「GitHub CopilotやCursorなどのAIツールを活用しています」という情報だけでは不十分です。

具体事例も交えて発信することで、AI活用に積極的な企業としてより強く印象付けることができます。

例えば「GitHub Copilotを導入した結果、コーディング時間を〇%削減できた」といった定量的な成果や、「〇〇というエラーが多発したため、プロンプトやアーキテクチャをこう修正して乗り越えた」といった具体的なエピソードなどです。

効果が得られるまでの試行錯誤のプロセスそのものが、コンテンツとして有力なものになります。

サービス、プロダクトの課題

エンジニアは企業を選ぶ際に「自分のスキルを活かしてプロダクトに貢献できるか」を常に考えています。

そのため彼らが一番知りたいのは、実は「今、サービスやプロダクトがどんな課題を抱えているのか」というリアルな情報なのです。

普通はサービス・プロダクトの強みだけをアピールするべきだと考えると思います。

しかしシステムが今直面している課題や、それにどう向き合っているかという情報もあえて発信することで

「この環境であれば、自分のこれまでのスキルを活かして貢献できそうだ」

「この難易度の高い課題への取り組みを通じて、エンジニアとして大きく成長できそうだ」

と感じたエンジニアからの応募喚起につながります。

結果として自社の課題解決にダイレクトに貢献できる、即戦力人材の採用につながりやすくなります。

開発体制、開発の流れ

また開発体制や日々の開発の流れも、エンジニアが企業選びをする際に欠かせない情報です。

ウォーターフォール開発、アジャイル開発といった開発体制の情報はもちろん、チーム構成の詳細や、企画からリリースに至るまでの具体的なプロセスを詳細に公開するのが理想です。

一例として、以下のような情報が挙げられます。

<開発体制、開発の流れに関する発信情報例>

  • 開発体制
    -チーム構成
    -ウォーターフォール開発、アジャイル開発
    -スクラム開発の流れ、スプリントの期間
  • 全体の大まかな流れ
    -中長期の開発ロードマップ
    -開発ロードマップをどう進めていくか
  • 各工程の具体的な進め方
    -設計から実装、テスト、リリースまで、各工程をどのような流れで進めているか

その結果、入社後実際にチームで働くイメージや、日々の業務の流れを具体的に想像できるため、入社意欲の向上や採用ミスマッチの防止に効果を発揮します。

スキルアップへの取り組み

技術トレンドの移り変わりが激しいIT業界において、エンジニアは「現在のスキルのままで、数年後も市場で通用するのだろうか」という潜在的なキャリアの不安を常に抱えています。

そのため自社のスキルアップへの取り組みをアピールすることは、キャリアの不安を解消する強力なフックになります。

具体的には以下のような内容が挙げられます。

  • 書籍購入補助
  • 資格取得の報奨金制度
  • カンファレンスの参加費用負担
  • 業務時間内の勉強会実施 etc.

実際に制度や仕組みが活用された実績や具体的なエピソードを添えることで説得力が増し、求職者に強い安心感を与えることができます。

エンジニアのキャリアパス

入社から数年後の具体的なキャリアパスの情報も重視されるポイントです。

特にAIの普及が急速に進む現代においては、将来人に求められる役割は何だろうかと悩み、キャリアに不安を感じるエンジニアが増えています。

だからこそ変化の激しい時代でも多様なキャリアの選択肢が用意されている環境が強く好まれる傾向にあります。

一般的に、エンジニアがキャリアを考える際は、人や組織のマネジメントを担う立場を目指すか、技術を極めるスペシャリストを目指すかの二軸で検討することがほとんどです。

そのため、マネジメントを担う「マネジメントライン(EM、VPoEなど)」と、技術力を極める「スペシャリストライン(テックリード、プリンシパルエンジニアなど)」それぞれのキャリアパスが整備されていることや、詳細な評価基準、期待される役割といった情報を発信することが重要です。

特にスペシャリストラインは市場全体で見るとまだ目指せる環境が少なかったり、マネジメントラインに比べて待遇が劣っていたりするケースもあります。

実際にスペシャリストとして活躍している社内メンバーの実例を発信すれば、スペシャリスト志向を持つ優秀な求職者が、自身の将来のビジョンを鮮明にイメージできるようになります。

働く人の紹介

数字やスペック、条件面には表れない「居心地の良さ」や「カルチャーフィット」は、エンジニアが長期的に高いパフォーマンスを発揮する上で欠かせない要素です。

また自分にとってのロールモデルとなる人がいるかどうかも、入社後に長期的なキャリアを築いていく上で非常に重要な要素になります。

こうした数字で見えない魅力を伝えるためには、働く人にフォーカスしたコンテンツの作成が効果的です。

具体的には現場で活躍するキーマンや新入社員のインタビュー記事、複数名のメンバーが集まるテーマ別の座談会などの企画が挙げられます。

働く人の「人となり」や「考え方」をリアルに伝えることを意識しましょう。

エンジニア採用広報の具体的な進め方

次にエンジニア採用広報の具体的な進め方について解説します。

まずは目的とゴールを決めるところから始め、エンジニア採用広報を進めるために必要な準備を順番に進めていきましょう。

目的とゴールを決める

まずはエンジニア採用広報を通して何を実現したいのかという目的を設定します。

前提としてエンジニア採用広報は中長期で取り組む施策のため、数年後にどうなっていたいかという長期的な視点を持つことが大切です。

検討にあたっては、自社の採用活動において今一番課題となっていることは何かを整理することから始めましょう。

例えば以下のような内容が、よく目的に設定されます。

  • エンジニアからの応募を増やしたい
  • エンジニアの内定承諾率を改善したい
  • エンジニアの短期離職を減らしたい

目的が決まったら、定量的なゴールを設定します。

  • エンジニアからの応募を月10件獲得する
  • エンジニアの内定承諾率60%を実現する
  • 半年以内に離職するエンジニアを0にする

こうして決まった目的やゴールは、エンジニア採用広報に関わる人全員に共有しておくことが大切です。

ペルソナを明確化する

次に、どのようなスキルやマインドを持ったエンジニアに情報を届けたいのか、理想のターゲット像である「ペルソナ」を明確にします。

このイメージを言語化し関係者間で共通認識を持っておくことで、発信するコンテンツの方向性がブレにくくなります。

<ペルソナの例>

基本情報 32才、男性
年収 700万円
経験・スキル Webアプリの開発経験6年
最近はSwiftを用いてiOSアプリの開発に携わっている
価値観・人柄 新しい技術を学ぶことが好き
休日は個人開発をしている
風通しがよく和気あいあいとした雰囲気を好む
身につけたいスキル iOSアプリの開発が楽しく、今後さらに経験を積みたい
AI活用にも興味があり、DevinやCursorなどのAIコーディングツールを使った開発がしてみたい

ペルソナをゼロから組み立てるのが難しいと感じることもあるかと思います。

その場合は社内ですでに活躍しているエンジニアの中から理想に近い人を見つけ、その人の属性や志向性をそのままペルソナに反映させる方法がおすすめです。

ゼロから考えるよりも早く、より具体的なペルソナ設定ができます。

発信チャネルを決める

採用サイト、オウンドメディア、note、Qiita、Youtube、X、Instagramなど、数ある選択肢の中から何の情報をどのチャネルで発信するか決定します。

チャネル選びは最初に決めた目的に沿って、最適なものを選定しましょう。

エンジニア採用広報の目的が「応募を増やすこと」なら多くの人の目に触れるSNSやYoutube、「内定承諾率を改善すること」なら自社の情報を十分に伝えられるオウンドメディアやnoteなどが適しています。

最終的には複数のチャネルを組み合わせた立体的な発信を目指したいところですが、最初から手を広げすぎることはあまりおすすめしません。

エンジニア採用広報はなにより継続が大事なため、まずは自社のリソースで無理なく運用できるチャネルを1〜2個絞り込んでスタートしましょう。

短期目標を決める

最初に設定した大きなゴールは、数年後に目指すべき理想の姿です。

しかし日々の運用のなかで遠すぎるゴールだけを見つめていると、現在地が見えなくなり意欲低下を招きかねません。

そのため、定期的に今の状態を振り返れるように、ゴールに至るまでの短期目標も設けておきましょう。

短期目標は、一般的に3カ月スパンで設定することが多く、行動や結果を客観的に評価できるよう定量的な数値にします。

<短期目標の例>

  • 月2本のペースでブログ記事を公開する
  • 月1回イベントを開催する
  • SNSのフォロワーを10%増やす

3カ月が経過した時点で一度達成状況を振り返り、その成果や見えてきた課題をベースに、次の3カ月の目標をブラッシュアップしていくサイクルを確立しましょう。

運用体制を整える

短期目標が決まったら、それを達成するためにどのくらいのリソースが必要になるかを具体的に検討します。

例えば「2本のペースでブログ記事を公開する」という目標をおいた場合、以下の例のように公開するまでに発生するタスクを洗い出し、それぞれの想定時間を設定します。

最初のうちは想定の2倍くらい時間がかかる前提で、どのくらいリソースが必要になるかを検討しましょう。

<ブログ記事の制作1本あたりに必要なリソースの一例>

発生するタスク例 想定時間
記事の企画を決める 60〜120分
取材記事の場合:誰にインタビューをするか(インタビュイー)を決める 10〜30分
取材記事の場合:想定質問を決める 10〜30分
取材記事の場合:インタビューを実施する 60分
必要に応じて写真撮影を実施する 30〜60分
構成案を作成する 60〜120分
記事を執筆する 240〜300分
初稿チェック 180〜240分
修正 30〜90分
修正稿チェック 30〜90分
入稿 30〜120分

なお使えるリソースが限られている場合は、そこから逆算してどのくらいのペースなら無理なく運用できるかを考えることになります。

また先述の通り、エンジニア採用広報を成功させるためには現場エンジニアの積極的な協力が欠かせません。

とはいえ、多忙な開発業務のなかで協力を得ることは容易ではないでしょう。

どのようにして現場のエンジニアとの協力体制を築いていくかという具体的なノウハウについては、次の章である「現場エンジニアを巻き込む方法」で詳しく解説していますので、ぜひそちらを参考に体制を整えてみてください。

施策を実行し、効果を振り返る

施策を実行した後の振り返りで最も重要なのは、PV数やフォロワー数といった「表面的な数字」だけに一喜一憂しないことです。

認知拡大を目的とする場合は大事な指標ですが、例えば「内定承諾率を改善したい」という目的の場合はそうとも限りません。

PV数、フォロワー数よりも「内定者が選考中にコンテンツを見ているか」「コンテンツを見たことで入社意欲が高まっているか」といった指標の方が重要になります。

こうした潜在的な効果を正しく測定するために、アンケート調査を実施することが効果的です。

アンケートの設問例:

  • 選考中にブログ記事を読みましたか?
    -どの記事を読みましたか?
    -どの記事が印象に残っていますか?
  • ブログ記事は企業選びに役立ちましたか?
    -具体的にどう役立ちましたか?
    -役立たないと感じた理由を教えてください

効果を適切に振り返り、次のコンテンツ制作へ活かすためにも、適切な振り返りができているかも常に意識しましょう。

現場エンジニアを巻き込む方法

エンジニアの協力が重要だと分かってはいるものの、実際に協力を得るとなるとハードルが高いと感じている採用担当者も多いのではないでしょうか。

多忙な現場のエンジニアと協力体制を築いていくための具体的なコツをいくつかご紹介します。

具体的に依頼する

現場のエンジニアに協力を仰ぐ際「技術ブログを書いてもらえませんか?」という抽象的な依頼の仕方は避けたいところです。

これでは「何を書けばよいのかわからない」となり、発信の心理的ハードルを上げてしまいます。

「◯◯について発信しませんか?」という依頼の仕方のほうが、具体的な話に進みやすくなります。

企画が立ち上げやすいテーマとして、最初は以下のような内容がおすすめです。

  • プロダクト新機能の開発プロセス
  • 同業他社が発信しているコンテンツを真似る
  • 社内のエンジニアの関心ごと

また、なかには自分で文章を書いたり発信したりすることに苦手意識を持つエンジニアもいます。

その場合は採用担当者がインタビューを行って内容を聞き取り、ベースとなるコンテンツを作成。

その内容のチェックをエンジニアに依頼するというフローにすることで0から取り掛かるよりも心理的なハードルを下げることができます。

発信に前向きな人から巻き込む

先述の通り、エンジニアのなかには発信活動が好きな人もいれば、苦手な人もいます。

そのため、組織全体に対して「交代でテックブログを書きましょう」といった一律のルールを課してしまうと、義務感や反発が生まれ、採用広報活動そのものが停滞する原因になります。

まずはSNSや個人ブログなどで日常的にアウトプットする習慣があるメンバーや、採用活動そのものに関心が高く「もっと良い仲間を増やしたい」と考えている現場のキーマンを1〜2名見つけ出し、最初の協力者になってもらいましょう。

その後スモールスタートでコンテンツを積み重ね、SNSでのシェアで盛り上げたり、面接での候補者からのポジティブなフィードバックを共有したりします。

発信が良い結果を生んでいるという成果を積み重ねることで、周囲のメンバーの「自分も書いてみようかな」という意欲を刺激し、自然と積極的な協力体制が作られていく好循環が生まれます。

楽しそう、面白そうな空気を作る

エンジニア採用広報を長く継続するためには、関わるメンバー全員が楽しみながら取り組める環境をつくることが一番です。

自分の技術的な知見や挑戦が社内外で認められることに大きなやりがいやモチベーションを感じるエンジニアも少なくありません。

新しいコンテンツが公開されたら社内のコミュニケーションツールでシェアし、みんなでスタンプを大量に送って盛り上げたり、SNSでの好意的な反響やインプレッション数を小まめに社内へ共有したりして、アウトプットを称賛する仕組みを人事が中心となってデザインしていきましょう。

「面白そうだな」と思ってもらえれば、義務感に頼ることなく現場の協力の輪を自然と広げやすくなります。

エンジニア採用広報の成功事例紹介

弊社が支援させていただいた企業様で大きな成果に繋がった事例を含め、エンジニア採用広報の成功事例を紹介します。

スカウトにブログ記事を活用し、返信率が10%→35%へ大幅向上

ある企業様では、エンジニア採用の柱としてダイレクトリクルーティング(スカウト)を活用していたものの、返信率が伸び悩むという課題を抱えていました。

当時はまだエンジニア採用広報に本格的に取り組んでおらず、外部に発信している情報が圧倒的に足りないことが要因の一つであると感じていました。

そこでターゲット層のロールモデルとなる社員へのインタビューをはじめ、自社の技術スタックや開発組織のカルチャーを深く伝える記事コンテンツを複数制作しました。

作成した記事をスカウト文面から自然に閲覧できるよう導線を設計したところ、

これまで10%台で推移していた返信率が、35%へと劇的に向上する結果となりました。

その他、弊社がご支援した採用広報の具体的な導入事例もぜひ併せてご覧ください:

運用開始1年で公式noteのPV数が29倍に。多角的に企業の魅力を引き出してくれる、唯一無二の採用パートナー

「10ヵ月で16名のエンジニアを採用」具体的な採用施策とは?

キャスターの採用広報ディレクターが選ぶ、エンジニア採用広報がうまい企業3選

キャスターの採用広報ディレクターにエンジニア採用広報がうまいと思う企業をヒアリングし、厳選した3社を紹介します。

採用広報が上手い企業には共通する「2つの特徴」があります。

1つ目は、「更新頻度が高く、長年継続していること」です。

発信のペースが安定しており、長期間途絶えることなく活動を継続できているため、

エンジニアコミュニティで必然的に目に触れる機会が増え、認知の拡大に成功しています。

2つ目は、「現場のエンジニアが主体的に発信していること」です。

現場のメンバー自身が採用広報の担い手となっています。

その結果、会社の雰囲気やカルチャーを伝える採用記事と、ディープな技術知見を発信するテックブログとの間で、良い相乗効果が生まれています。

自社のロールモデルやベンチマークを探す際の参考に、ぜひ以下の3社に注目してみてください。

株式会社LayerX

「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに、AI SaaS事業「バクラク」「Ai Workforce」やAI DX事業などを展開する企業です。

noteやエンジニアブログの執筆、YouTube動画の配信、技術イベントの開催など、とにかく施策の幅が広いことが特徴です。

いずれのチャネルにおいても更新頻度と継続性が極めて安定しており、全社を挙げてオープンに発信する文化が根付いています

採用サイト:https://jobs.layerx.co.jp/


株式会社SHIFT

「新しい価値の概念を追求し、誠実に世の中に価値を提供する」を理念に掲げ、ソフトウェアの品質保証、テスト事業などを行っている企業です。

定期的にキャリアイベントを開催し、そのアーカイブ動画をYoutubeで公開しています。

また職種ごとの詳細なキャリアマップが公開されていることが特徴で、入社後自分がどのようなキャリアを描けるのかイメージがしやすくなっています。

採用サイト:https://recruit.shiftinc.jp/


株式会社メルカリ

「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」をミッションに、フリマアプリ「メルカリ」の企画・開発・運用を行っている企業です。

昔からエンジニア採用広報がうまい企業としてよく名前が上がる代表格です。

今なお質・量ともに圧倒的な水準で情報発信を続けられています。

採用ブログ、エンジニアブログを含めすべてのコンテンツが英語対応をしていることも特徴です。

採用サイト:https://careers.mercari.com/

エンジニア採用広報のよくある失敗例

ここでは、エンジニア採用広報でよくある失敗例を3つ紹介します

更新が止まる

エンジニア採用広報は更新を続けることが一番大事であり、一番難しいポイントです。

更新が止まってしまう原因は主に3つあります。

まずは原因を特定し、更新し続けられる体制を整え直しましょう。

更新が担当者依存になってしまっている

いつ更新するかが担当者依存になってしまっているパターンです。

このパターンでは現場エンジニアに「手が空いている時に記事を書いてね」と丸投げしてしまっているケースが多くあります。

また担当者のボランティア精神で運用されている場合も多く、業務が忙しくなれば当然の優先順位として真っ先に後回しにされてしまいます。

解決策として、まずは公開スケジュールと担当者を事前に決めておくことが大切です。

可能であれば3カ月先、最低でも1カ月先まではスケジュールを設定しておくようにしましょう。

また広報活動を業務(評価対象)として認めてもらうことも一つの手です。

ネタ不足

ある程度コンテンツが充実してきたことが原因である場合と、完璧で中身の濃い記事を書こうとするあまりネタに困ってしまっている場合とがあります。

コンテンツが充実し新たなネタが浮かばない場合は、競合他社の発信内容を分析したり、求職者から面接の際に質問されたことをリストアップしたりすると新たなネタの手がかりにつながります。

また、テックブログの運用の場合には高度な知見でなければならないと思い込み、ネタに困ってしまっている場合があります。

採用広報においては、超大作を1カ月に1回公開するよりも、小ネタも含めて1週間に1回公開するほうが、求職者の目に触れる機会が増やせるため効果的です。

社内チャットで盛り上がったバグ解決のtipsなど日々の業務の中で見逃してしまっているネタがないか確認してみましょう。

リソース不足

単純に運用リソースが足りておらず、回らなくなってしまったパターンです。

「運用体制を整える」の章を参考にタスクと想定時間を改めて洗い出し、必要なリソースを見直してみてください。

やってみると想定していたよりも時間がかかることは往々にしてあるため、タスクにかかる想定時間は定期的に見直し、無理のない体制を整えるようにしましょう。

またコンテンツ制作を外注するという方法もあります。

自社でリソースを捻出することが難しい場合は、外注することも検討してみてください。

CASTER BIZ recruitingではインタビュー記事や採用ピッチ資料制作を請け負うことが可能です。

お気軽にご相談ください。

≫CASTER BIZ recruiting|お問合せフォーム

採用色が強すぎる

さらによくある失敗例として挙げられるのが、「採用色が強すぎる」というケースです。

特にテックブログから求人へ過剰に誘導することは避けるべきです。

基本的にテックブログは技術的な情報を期待して開かれます。

それにもかかわらず求人への誘導ばかりだと、企業への警戒心が強くなってしまいます。

最後に一文だけ書き添えるか、バナーだけを設置するくらいに留めるようにしましょう。

エンジニアから自然と読まれファンを増やせるのは、やはり「技術的価値」や「学び」があるコンテンツです。

技術的価値を重視するコンテンツと、ダイレクトに採用に繋げるためのコンテンツは棲み分けて運用するようにしてみてください。

KPIがPVだけになっている

「施策を実行し、効果を振り返る」で解説をした通り、PV数だけを追いかけることが適切かどうか、今一度見直してみてください。

エンジニア採用広報の本来のゴールは、自社にマッチする優秀な人材を獲得することです。

PV数がいくら多くても、自社にマッチする人材からの応募に繋がっていなければ、エンジニア採用広報が成功しているとは言えません。

「書類選考の通過率が向上しているか」

「自社のコンテンツを見て、内定者の意向が上がったか」

「応募者が自社に興味を持ったきっかけは何か」

といった情報を追いかけるほうが、適切に効果を測ることができる可能性があります。

KPIをPVだけにしてしまうと数字に見えないところで効果が出ていたのに、PVが少ないのでやめよう、という判断に繋がってしまう恐れがあります。

それを避けるためにも目的にあったKPIは何か、しっかりと見定めることが大切です。

エンジニア採用広報でよくある質問

エンジニアの採用広報でよくある質問をまとめました。

わからないことがあればこちらもぜひ参考にしてください。

採用担当者だけでも始められる?

  • エンジニアのインタビュー記事
  • 採用ピッチ資料の作成
  • 社内資料の公開
  • SNSの活用

などは採用担当者だけでも、比較的始めやすい施策です。

ただし採用担当者だけで運用できる施策には限界があり、成果を出すためには、やはりエンジニアの協力が必要不可欠です。

「現場エンジニアを巻き込む方法」を参考に、協力を得る方法を検討してみてください。

何をKPIにするべき?

どんな目的でエンジニア採用広報を行うかによって、何をKPIとするべきかは変わります。

例えば「内定承諾率を改善したい」という目的の場合は

  • 内定者が選考中にコンテンツを見ているか
  • コンテンツを見たことで入社意欲が高まっているか、

といった指標が良いと考えられます。

詳しくは「施策を実行し、効果を振り返る」をご覧ください。

効果が出るまでどのくらいかかる?

一般的には6カ月〜1年程度かかります。

採用広報は短期施策ではなく、中長期施策と位置づけるようにしましょう。

エンジニア採用広報は「継続」と「中身」が重要

エンジニア採用市場は依然として売り手市場が続いており、年々求人票や給与条件だけで差別化することは難しくなっています。

だからこそ、企業の技術文化や開発体制、AIへの取り組み、キャリア支援などを継続的に発信する「採用広報」の重要性が高まっているのです。

特に近年は、技術スタックそのものよりも「技術への向き合い方」や「成長できる環境」を重視するエンジニアが増加傾向にあるため、テックブログや社員インタビュー、採用ピッチ資料、イベントなどを通じて、自社のリアルな姿を伝えることが採用成功の鍵となります。

エンジニア採用広報は、すぐに成果が出る施策ではありません。

重要なのは、目的を明確にしたうえで無理のない運用体制を整え、現場エンジニアも巻き込みながら発信を継続することです。

継続的な情報発信は認知向上だけでなく、応募数の増加や内定承諾率向上、採用ミスマッチの防止にもつながります。

中長期的な採用競争力を高めるためにも、今から取り組みを始めていきましょう。

継続して更新し続けることができれば、半年後〜1年後には成果につながるでしょう。

とはいえ継続するためには、かなりのリソースが必要です。

リソースにお困りの際は、お気軽にCASTER BIZ recruitingにご相談ください。

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