採用計画の立て方7ステップ|無料テンプレートと人数・KPIの算出法

「採用計画を立てろと言われたが、何をどの順番で決めればいいのか分からない」「採用人数や予算の根拠を経営層に説明できず、計画が毎年なんとなくで終わってしまう」——このような悩みを抱える採用担当者は少なくありません。
採用計画は感覚で作るものではなく、事業計画からの必要人員算出、離職率からの欠員逆算、歩留まり率からの必要応募数算出という、決まった計算式で組み立てられます。
本記事では、採用計画の立て方について以下の内容を解説します。
- 採用計画を立てる7つのステップ
- そのまま使える採用計画テンプレートと記入例
- 離職率・事業計画から採用人数を算出する計算式
- 歩留まり率から必要応募数を割り出すKPI逆算表
目次
採用計画の立て方7ステップ【全体像】

- ステップ1〜2:採用目的の明確化と現状の人員分析
- ステップ3〜5:採用人数の確定・採用要件/ペルソナ設計・採用手法の選定
- ステップ6〜7:スケジュール・予算の策定とKPI設定
- 入社日から逆算する採用スケジュールの目安【中途・新卒】
採用計画とは、事業計画をもとに「いつ・どの部署に・どんな人材を・何人・いくらで採用するか」を定める実行計画のことです。
採用戦略が「どう勝つか」という方針、採用要件が「どんな人か」という人物定義だとすると、この3つは役割の異なる階層になっています。
本記事では、このうち実行計画としての「採用計画」の立て方に絞って解説します。
ステップ1〜2:採用目的の明確化と現状の人員分析
採用計画の第一歩は、経営計画・事業計画に立ち返り「なぜ採用するのか」という採用計画の目的を整理することです。
目的は大きく「増員(事業拡大)」「欠員補充」「新規事業の立ち上げ」の3つに分類でき、目的によって求める人材要件や有効な採用手法は変わります。
次に行うのがステップ2の現状分析です。
部門別の人員構成、年齢構成、直近1〜2年の退職者数と退職理由を棚卸しし、自社の採用課題を可視化します。
この2つがあいまいなまま人数算出(ステップ3)に進むと、後の工程で計画が崩れる原因になります。
ステップ3〜5:採用人数の確定・採用要件/ペルソナ設計・採用手法の選定
ステップ3では、必要な採用人数を確定します。
具体的な計算式は、後述の「【計算式付き】採用人数の算出方法」で解説します。
ステップ4では、採用要件を「MUST(必須条件)」と「WANT(歓迎条件)」に分けて定義し、求める人物像を採用ペルソナとして具体化します。
要件を緩めれば応募母集団は増える一方で選考工数も膨らむため、人事と現場責任者の間で要件を文書化して合意しておくことが欠かせません。
ステップ5では、確定した職種とターゲット層に届きやすい採用手法(求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用など)を選定します。
あわせて読みたい:採用活動に役立つペルソナ設計
ステップ6〜7:スケジュール・予算の策定とKPI設定
ステップ6では、内定者の入社日から逆算して募集開始日・選考期間を設定するスケジュールを引くと同時に、採用予算を組み立てます。
予算は「外部コスト(求人広告費・人材紹介の紹介手数料・採用管理ツール利用料など)」と「内部コスト(採用担当者・面接官の稼働時間×時給換算額)」を積み上げて算出するのが基本の考え方です。
手法別の費用相場は変動が大きいため、実際に予算化する際は各サービスの最新の公式情報で確認することをおすすめします。
ステップ7では、採用KPI(必要応募数・書類選考通過率・面接通過率・内定承諾率・採用単価)を設定します。
これらの数値を1枚の計画書にまとめておくと、経営層や現場との社内合意が取りやすくなります。
具体的なテンプレートの記入項目は、次章で紹介します。
あわせて読みたい:手法別の費用相場
入社日から逆算する採用スケジュールの目安【中途・新卒】
中途採用は「求人票作成・募集開始準備」「書類選考・面接」「内定〜内定承諾」「退職交渉・引き継ぎ〜入社」という流れで進み、逆算すると入社日のおよそ3〜4か月前には募集を開始しておく必要があります。
4月1日入社を目指す場合は、以下の逆算表を目安にしてください。
最もスケジュールがずれやすいのが、在職中の候補者の退職交渉・引き継ぎ期間です。
管理職や専門職では3か月程度かかるケースもあるため、2〜4週間ほどのバッファを見込んでおくと安心です。
新卒採用の場合は、前年のサマーインターンシップから学生との接点づくりが始まるため、計画そのものの着手時期は前年の春ごろとさらに早くなる点も押さえておきましょう。
4月1日入社をゴールにした中途採用スケジュールの逆算例(目安)
| 時期(4月1日入社の場合) | 実施すること | 目安期間 |
|---|---|---|
| 前年12月(約4か月前) | 採用計画の確定・求人票の作成 | 1〜2週間 |
| 1月(約3か月前) | 募集開始・書類選考 | ー |
| 1〜2月(約2〜3か月前) | 面接(一次〜最終) | 2〜4週間 |
| 2月(約2か月前) | 内定出し〜内定承諾 | 1〜2週間 |
| 2〜3月(約1〜2か月前) | 退職交渉・引き継ぎ | 1〜3か月 |
| 4月1日 | 入社 | ー |
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あわせて読みたい:中途採用の難しさをどう乗り越える?
そのまま使える採用計画テンプレート【Excel/スプレッドシート対応】
- 採用計画書の記入項目一覧【テンプレート表】
- 記入例:中途採用と新卒採用の書き方の違い
- テンプレートを運用に定着させる3つのコツ
採用計画書の記入項目一覧【テンプレート表】
採用計画書に最低限含めておきたい項目は、以下の11項目です。
| 項目 | 記入内容の目安 |
|---|---|
| 採用職種 | 例:法人営業 |
| 配属部署 | 例:営業部第一課 |
| 雇用形態 | 正社員/契約社員/アルバイトなど |
| 採用人数 | 例:2名 |
| 採用時期(入社希望日) | 「4月」ではなく「4月1日入社」まで具体的に記入 |
| 採用予算 | チャネルごとに金額を分けて記入 |
| 採用手法(チャネル) | 求人広告/人材紹介/ダイレクトリクルーティング/リファラルなど |
| 選考フロー | 書類選考→一次面接→最終面接→内定など |
| 担当者 | 採用責任者・面接官の氏名まで記入 |
| KPI | 必要応募数、書類選考通過率、面接通過率など |
| 進捗ステータス | 募集中/選考中/内定出し/充足済みなど |
記入時のポイントは、抽象度を上げすぎないことです。
表の「記入内容の目安」の粒度まで具体的に書くと、進捗管理や振り返りの精度が上がります。
上記の項目をそのままExcelやスプレッドシートに転記すれば、採用計画書のひな形として利用できます。
記入例:中途採用と新卒採用の書き方の違い
記入イメージをつかむために、中途採用と新卒採用それぞれの記入例を、テンプレートの項目に沿って一覧にしました。
| 項目 | 中途採用の記入例 | 新卒採用の記入例 |
|---|---|---|
| 採用職種 | 営業職 | 総合職 |
| 配属部署 | 法人営業部 | 全社 |
| 雇用形態 | 正社員 | 正社員 |
| 採用人数 | 2名 | 5名 |
| 採用時期(入社希望日) | 20XX年4月1日入社 | 20XX年4月1日入社(一括) |
| 採用予算 | チャネルごとに記載 | チャネルごとに記載 |
| 採用手法(チャネル) | 人材紹介+ダイレクトリクルーティング | ナビサイト+自社説明会 |
| 選考フロー | 書類選考→一次面接→最終面接→内定 | 説明会→エントリーシート→面接(複数回)→内定 |
| 担当者 | 人事A・面接官:部長B | 人事B・面接官:各部門責任者 |
| KPI | 必要応募数40名・書類選考通過率33% | エントリー数200名 |
| 進捗ステータス | 選考中 | 募集中 |
中途採用は職種単位で1行を使うのに対し、新卒採用は一括採用で年間スケジュールも固定的なため、エントリー数など母集団の規模で管理する粒度になる点が大きな違いです。
複数職種を並べて年間採用計画表として一覧化する運用も検討してみてください。
あわせて読みたい:母集団形成について
テンプレートを運用に定着させる3つのコツ
テンプレートは作成して終わりにせず、運用に定着させることが重要です。
1つ目は、週次で進捗ステータス列だけを更新するというシンプルな運用ルールを決めることです。
2つ目は、採用管理システム(ATS)と併用し、応募者データとKPIを自動的に連携させることです。
3つ目は、四半期ごとに計画と実績の差分をレビューし、翌四半期の数値を修正することです。
あわせて読みたい:採用管理システム(ATS)の比較記事はこちら
【計算式付き】採用人数の算出方法

- 欠員補充数を離職率から逆算する
- 事業計画から必要人員数を算出する(財務・業務量アプローチ)
欠員補充数を離職率から逆算する
欠員補充数は、次の式で概算できます。
想定欠員数=現在の在籍人数×自社の離職率
自社の離職率データが蓄積されていない場合は、厚生労働省「令和7年(2025年)雇用動向調査」の一般労働者の離職率11.4%を暫定値として使う方法があります(出典:厚生労働省「令和7年雇用動向調査結果の概要」 )。
ここでいう離職率は、年初の常用労働者数に対する離職者数の割合です。
たとえば一般労働者が100名在籍している場合、年間で約11〜12名の欠員が発生する計算になります。
パートタイム比率が高い企業の場合は、同調査のパートタイム労働者の離職率19.9%で計算したほうが実態に近い数値が出やすい点にも注意してください。
なお、離職率は業種や年による変動が大きいため、実際の計画づくりでは自社の過去数年分の離職者数から算出した実績値を優先して使うことをおすすめします。
事業計画から必要人員数を算出する(財務・業務量・人事戦略アプローチ)
必要人員数の算出には、主に3つのアプローチがあります。
- 財務アプローチ:必要人員数=(売上高-諸経費-目標利益)÷1人当たり人件費
- 業務量アプローチ:必要人員数=想定総労働時間÷1人当たり労働時間
- 人事戦略アプローチ:必要人員数=投資可能人件費÷1人当たり人件費
いずれかのアプローチで必要人員数を算出したら、最終的な必要採用人数は次の式で求めます。
必要採用人数=必要人員数-在籍人員数+想定欠員数(前章で算出した数値)
全社の必要人数を職種別に配分する際は、採用難易度も加味してください。
エンジニアなどの専門職は、同じ1名の採用でも一般職と比べて所要期間やコストが大きくなりやすい傾向があります。
現場からの要望をそのまま合算せず、優先順位と充足期限を設けて人数の上限を決めましょう。
あわせて読みたい:エンジニアの採用難を乗り越えるには採用代行が大事
【KPI逆算表】歩留まり率から必要応募数を割り出す
- 選考フェーズ別の歩留まり率と必要応募数の計算式
- 採用3名から逆算するKPI設計例【逆算表】
- KPIをモニタリングし「計画倒れ」を防ぐ
選考フェーズ別の歩留まり率と必要応募数の計算式
歩留まり率とは、次の式で表される、選考フェーズごとの通過割合です。
歩留まり率(%)=次フェーズ進出者数÷当該フェーズの対象者数×100
この歩留まり率を使うと、目標の採用人数から逆算して必要な応募数を求められます。
必要応募数=採用人数÷(各選考フェーズの通過率の積)
書類選考通過率や面接通過率、内定承諾率の水準は、業種・職種・採用市場の状況によって大きく変動します。
外部で公開されている平均値は調査対象や集計方法が異なるため、そのまま自社の基準値として使うのは避けたほうが安全です。
過去の実績データがない場合は、まず1シーズン分の応募数・通過率を記録し、自社独自の基準値を作ることをおすすめします。
採用3名から逆算するKPI設計例【逆算表】
たとえば「内定承諾3名」をゴールに設定した場合の逆算表は、以下のようなイメージになります。
| フェーズ | 人数 | 通過率 |
|---|---|---|
| 応募 | 60名 | ー |
| 書類選考通過 | 20名 | 33% |
| 一次面接通過 | 10名 | 50% |
| 最終面接通過 | 5名 | 50% |
| 内定承諾 | 3名 | 60% |
このように各フェーズの通過率を並べておくと、どのフェーズの歩留まりが悪化した場合に採用人数へ影響が出るかを可視化できます。
たとえば書類選考通過率が33%から23%に下がると、内定承諾3名に必要な応募数は60名から約87名(約1.5倍)に増えます。
内定承諾率が60%から50%に下がった場合も必要応募数は約73名(約1.2倍)となり、1フェーズの歩留まり悪化が母集団形成の負荷に直結することが分かります。
テンプレートのKPI列には、この逆算表の数値をそのまま転記して使ってください。
KPIをモニタリングし「計画倒れ」を防ぐ
KPIは設定して終わりにせず、定期的にモニタリングすることが欠かせません。
週次では応募数・書類選考通過数、月次では各フェーズの通過率と内定承諾率を確認し、応募数が計画比70%を下回った場合は媒体追加やスカウト強化を、承諾率が下がった場合は条件面や選考体験の見直しを行うといった、あらかじめアクション基準を決めておくとよいでしょう。
計画が崩れる要因として特に多いのが、「現場と人事の間で求める人物像の目線がずれていること」と、「採用担当が他業務と兼任のためリソースが不足していること」の2つです。
前者は面接評価基準を共通のシートで揃えることで、後者はミクステンド株式会社様の採用代行の事例のように、一人人事によるリソース不足に対して採用実務を全開放して外部へ委託する計画を組み込むことで、人事が面接や見極めに100%集中できる環境を整えて対処できます。
あわせて読みたい:採用の面接評価チェックシート
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まとめ:採用計画はテンプレートと計算式で「根拠ある数字」にする
採用計画は、以下の4つのポイントを押さえることで、「根拠ある数字」に基づいた実行可能な計画になります。
- 採用計画は7つのステップで組み立てる
- 採用人数は事業計画と離職率から逆算する
- スケジュールは入社日から3〜4か月前倒しで逆算する
- KPIは歩留まり率から必要応募数を割り出して設定する
この4点を1枚のテンプレートにまとめておけば、経営層にも現場にも説明できる採用計画に仕上がります。
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