公開日 2026.09.04 更新日 2026.09.04

新卒採用コストは一人当たりいくら?平均相場・内訳と削減方法6選を解説

「新卒採用のコストは一人当たりいくらが相場なのか知りたい」「採用コストが年々増えており、どこから削減すべきか分からない」——このような悩みを抱える採用担当者・経営者は少なくありません。

新卒採用は求人広告費や紹介手数料といった見えやすい費用だけでなく、社内の人件費など見えにくい費用も積み重なるため、実態を正しく把握できていない企業も多く見られます。

本記事では、新卒採用における一人当たりコストの平均相場や内訳、算出方法から、コストが高くなる要因、そして質を落とさずに削減する具体的な方法までをわかりやすく解説します。

目次

新卒採用コストの一人当たり平均相場

新卒採用の一人当たりコストは、調査によって幅はあるものの、おおむね80万〜110万円台が目安とされています。

ここでは以下の内容を解説します。

  • 就職白書における新卒一人当たりの平均コスト
  • 中途採用の一人当たりコストとの比較
  • 企業規模・業界による採用単価の違い
  • 一人当たり採用コスト(採用単価)の計算方法

就職白書の調査では新卒一人当たり平均93.6万円

就職みらい研究所が公表している「就職白書」の調査によると、新卒採用における一人当たりの平均コストは93.6万円とされています。

近年の売り手市場を背景に採用活動が長期化しやすく、募集から内定、入社に至るまでの費用がかさむ傾向にあることが背景にあると考えられます。

過去の調査結果と比較しても金額は上昇傾向にあり、90万〜100万円前後を一つの目安として捉えておくとよいでしょう。

自社の採用コストがこの水準から大きく外れていないかを確認することが、コスト管理の第一歩になります。

中途採用の一人当たりコストとの比較

同じ就職白書の調査では、中途採用における一人当たりのコストは103.3万円と報告されています。

新卒・中途のいずれも100万円前後が一つの目安であり、近年はおおむね80万〜110万円台が相場とされています。

中途採用は即戦力人材を対象とすることが多く、人材紹介会社への成功報酬が単価を押し上げやすい一方、新卒採用は母集団形成にかかる広告費や説明会費用の比率が高くなる傾向があります。

両者の違いを理解したうえで、自社の採用活動がどちらの費用構造に近いかを把握しておくと、予算配分の見直しに役立ちます。

企業規模・業界による採用単価の違い

採用単価は企業規模や業界によっても大きく異なります。

知名度で不利になりやすい中小企業や、IT・医療といった人材獲得競争の激しい業界では、一人当たり100万円を超えるケースも珍しくありません。

大手企業はブランド力によって応募が集まりやすく単価を抑えられる傾向がある一方、中小企業は母集団形成のために広告費や紹介料をより多く投じる必要があり、結果的に単価が高くなりやすいのです。

特に専門性の高いエンジニア職などは、限られた人材を複数の企業が奪い合う構図になりやすく、スカウトや紹介経由の採用単価が高騰しがちです。

自社の採用単価を評価する際は、全体平均だけを基準にするのではなく、自社と同規模・同業界の水準と比較することが欠かせません。

一人当たり採用コスト(採用単価)の計算方法

一人当たりの採用コスト(採用単価)は、次の式で算出できます。

採用コスト総額 ÷ 採用人数 = 一人当たり採用コスト

ここで注意したいのは、求人広告費や紹介手数料といった外部費用だけでなく、採用担当者や面接官の人件費といった内部費用まで合算しなければ、実態を見誤ってしまう点です。

外部費用のみで計算すると実際より低い数値になりやすく、コストの過小評価につながります。

正確な採用単価を把握するためには、外部・内部の両方の費用を漏れなく積算したうえで採用人数で割ることが重要です。

新卒採用コストの内訳【外部コストと内部コスト】

新卒採用にかかる費用は、大きく「外部コスト」と「内部コスト」の2種類に分類されます。

ここでは以下の内容を解説します。

  • 外部コスト(求人広告費・紹介手数料・イベント出展費など)
  • 内部コスト(採用担当者の人件費・交通費・内定者フォロー費など)
  • 内部コストが見落とされやすい理由と可視化の重要性

外部コスト(求人広告費・紹介手数料・イベント出展費など)

外部コストとは、社外のサービスや事業者に支払う費用のことです。

求人媒体への掲載費用、人材紹介会社への成功報酬、合同企業説明会への出展費用、ダイレクトリクルーティングサービスやATS(採用管理システム)の利用料、採用パンフレット・採用サイトの制作費などが該当します。

一般に、外部コストは請求書として明確に把握できるため管理しやすい一方、金額そのものが大きくなりやすいという特徴があります。

特に人材紹介会社の成功報酬は理論年収の一定割合で設定されることが多く、一人当たりの単価を大きく押し上げる要因になりがちです。

どの施策にどれだけの外部コストがかかっているかを一覧化しておくことで、費用対効果の検証がしやすくなります。

内部コスト(採用担当者の人件費・交通費・内定者フォロー費など)

内部コストとは、社内のリソースを使うことで発生する費用のことです。

採用担当者や面接に対応する現場社員の人件費、候補者への交通費補助、リファラル採用における社員への紹介インセンティブ、内定者懇親会やフォーム面談などの内定者フォロー費用が該当します。

これらは請求書として明示されないため見落とされがちですが、選考に関わる社員の人数や工数が増えるほど確実に膨らんでいく費用です。

特に一次面接から最終面接まで複数の社員が関わる企業ほど、内部コストは積み上がりやすくなります。

人件費は時給換算した単価に、実際に選考へ費やした時間を掛け合わせることでおおよその金額を見積もることができます。

内部コストは見落とされやすく、可視化が削減の第一歩

内部コストは日々の業務の中に埋もれてしまい、工数として意識されないまま積み上がっていくケースが少なくありません。

求人広告費のように明確な支出として認識しにくいため、コスト管理の対象から漏れてしまいがちです。

しかし、外部コストと内部コストを合算した総額で費用対効果を測定しなければ、採用活動の実態を正しく評価することはできません。

まずは自社の採用業務にどれだけの人件費・工数がかかっているかを可視化することが、無駄なコストを見つけ出し、削減につなげるための出発点となります。

一人当たりの新卒採用コストが高くなる4つの要因

新卒採用の一人当たりコストが高騰しやすい背景には、いくつかの構造的な要因があります。

ここでは以下の4つの要因を解説します。

1.売り手市場の激化による母集団形成コストの上昇

大卒求人倍率は1.66倍という水準で推移しており、売り手市場が続いています。

求職者一人に対して1社を上回る求人が存在する状態であり、学生一人当たりに複数の企業がアプローチする状況が続くと、応募を集めるための広告費やイベント出展費が増加しやすくなります。

特に知名度で大手企業に劣る中小企業では、母集団形成そのものに多くの予算を投じなければならず、結果として一人当たりの採用コストが押し上げられる傾向にあります。

市場環境そのものが厳しくなっていることを前提に、限られた予算をどの手法にどれだけ配分するか、コスト構造そのものを見直す必要があります。

2.内定辞退・早期離職による採用のやり直し

内定辞退や入社後3年以内の早期離職が発生すると、それまでにかけた広告費・人件費が無駄になるうえ、欠員を補うための再募集・再選考の費用も新たに発生します。

一人の学生を採用するまでにかけたコストが二重にかかることになるため、実質的な採用単価は大きく跳ね上がってしまいます。

内定辞退や早期離職を防ぐことは、単に採用人数を確保するだけでなく、コスト面でも大きな意味を持つ取り組みだといえます。

3.採用手法と自社のミスマッチ・費用対効果の未検証

毎年同じ求人媒体や説明会イベントに、前年を踏襲する形で費用を投じ続けている企業も少なくありません。

しかし、実際にその手法がどれだけの応募・採用につながっているかを検証しないまま継続してしまうと、成果の出ていない施策に対して費用を払い続けることになりかねません。

自社が求める人材像と利用している採用手法が合っているかどうかを定期的に見直し、費用対効果を数値で確認する仕組みを持つことが重要です。

4.採用業務の非効率による内部コスト(工数)の増大

説明会の運営、候補者との日程調整、応募者対応といった業務が属人化・非効率化すると、担当者の稼働時間が増え、内部コストが膨らんでいきます。

特定の担当者にしか進め方がわからない状態になっていたり、手作業でのやり取りに時間を取られていたりすると、本来なら削減できるはずの工数がそのままコストとして積み上がってしまいます。

業務プロセスそのものを見直すことも、コスト削減の重要な視点です。

一人当たりの新卒採用コストを削減する6つの方法

採用コストを抑える際に避けたいのは、広告予算を一律に削った結果、応募者の質や数が落ちてしまうことです。

ここでは質を維持しながら費用対効果を高める6つの方法を解説します。

1.採用コストを可視化し費用対効果を分析する

まずは求人媒体やイベントなど手法ごとに、応募数・選考通過数・採用数とそれぞれにかかったコストを集計し、採用単価ベースで費用対効果を可視化することが出発点です。

どの手法が効率よく採用につながっているかが数値で見えるようになれば、成果の出ていない施策への投資を減らし、効果の高い手法へ予算を再配分できます。

スプレッドシートなど簡易な形でも構わないので、手法ごとの数値を一覧化し、定期的に振り返る習慣をつけることが重要です。

感覚や前年踏襲ではなく、データに基づいて投資判断を行う体制を整えることが、継続的なコスト削減の土台となります。

2.ダイレクトリクルーティングを活用する

ダイレクトリクルーティングは、企業側から求める人物像に直接アプローチできるオファー型の採用手法です。

人材紹介会社への高額な成功報酬や、広く浅く母集団を集める求人広告への依存を減らし、自社にマッチする学生へピンポイントでアプローチできるため、無駄な選考コストを抑えやすくなります。

プロフィール情報をもとに条件を絞り込んでスカウトを送れるため、書類選考の前段階でのミスマッチも減らしやすくなります。

スカウト文面の工夫や送信対象の絞り込みによって、返信率や選考通過率を高められる点も、コスト効率を高めるうえで有効です。

3.リファラル採用・内定者の紹介を取り入れる

社員や内定者からの紹介を通じた採用は、求人広告費や紹介手数料といった外部コストを大幅に削減できる手法です。

紹介者にはインセンティブを支払うケースが多いものの、外部サービスへの手数料と比べると総額を抑えられることが一般的です。

また、自社のことをよく知る社員や内定者からの紹介であるため、入社後のミスマッチが起きにくいという利点もあります。

制度として整備し、継続的に活用できる仕組みをつくることが望まれます。

4.オウンドメディア・SNSで採用広報を強化する

自社の採用サイトやSNSアカウントを通じて継続的に情報発信を行うことで、広告費に頼らない応募経路を育てることができます。

社員の働く姿や社風をありのままに伝えられるため、入社後のギャップによるミスマッチを防ぐ効果も期待できます。

一度コンテンツを整備すれば掲載費用がかからず、中長期的に見て費用対効果の高い施策となります。

求人広告だけでは伝えきれない企業文化や働く社員の人柄を発信することで、志望度の高い応募者を集めやすくなる点もメリットです。

すぐに成果が出るものではないため、継続的な運用を前提に取り組むことが大切です。

5.内定辞退・入社後のミスマッチを防止する

選考中のこまめなコミュニケーションによる動機づけ、内定者フォーム面談や懇親会を通じたフォロー、入社前後のギャップを解消する取り組みは、内定辞退や早期離職を防ぐうえで効果的です。

これらの取り組みは一見コストがかかるように見えますが、内定辞退や早期離職による「採用のやり直しコスト」を防ぐことにつながり、結果的に一人当たりの採用単価を抑えることができます。

採用活動は内定を出して終わりではなく、入社後の定着まで見据えて設計することが重要です。

6.採用代行(RPO)で採用業務を効率化する

採用代行(RPO)は、母集団形成や応募者対応、日程調整といったノンコア業務を専門チームに任せることで、社内の担当者の工数、すなわち内部コストを圧縮できるサービスです。

プロのノウハウを活用することで、手法や媒体選定の無駄も減らしやすくなります。

専任の採用担当者を新たに雇用する場合と比べて、教育コストや急な退職・欠勤による業務停止のリスクを抑えられる点もメリットです。

費用相場はサービスや稼働時間によって幅がありますが、月額数十万円程度から利用できるプランが一般的で、低コストかつ短期間で採用体制を整えられる点が特徴です。

採用代行(RPO)で新卒採用コストを最適化するメリット

採用コストの可視化や手法の見直しを自社だけで進めるのが難しい場合、採用代行(RPO)の活用が有効な選択肢となります。

ここでは、採用代行を利用することで一人当たりの採用コストをどのように最適化できるのかを解説します。

採用のプロが手法・媒体を見直し外部コストを削減できる

毎年同じ就職情報サイトや合同説明会に、費用対効果を検証しないまま惰性で出稿を続けてしまっている企業は少なくありません。

結果を出せていない施策に予算を投じ続けるほど、外部コストは無駄に膨らんでいきます。

実際、株式会社カオナビではRPOの活用により求人代理店手数料を削減し、直接採用比率を向上させることで、組織拡大期における採用コストの抑制と採用数の維持を両立させています。

CASTER BIZ recruitingでは、こうした「見直されないまま続く出稿」の課題に対し、専門チームが媒体ごとの費用対効果を数値で検証したうえで、ダイレクトリクルーティングなど費用対効果の高い「攻め」の手法を組み合わせて再設計します。

累計800社以上の支援実績で培ってきたデータとノウハウをもとに、自社に合った採用単価の最適化を図れる点が強みです。

ノンコア業務の外部化で内部コスト(工数)を削減できる

スカウト送信や候補者との日程調整といったノンコア業務を外部化することで、採用担当者の工数(内部コスト)を大きく圧縮できます。

例えば、株式会社インフォバーングループではスカウト運用や日程調整の完全代行によって人事・経営陣が候補者との対話に専念できる環境を構築し、新卒・若手採用の成果創出を実現しています。

ただし、新卒採用において最も重くのしかかるコストは、実は内定辞退や早期離職による「採用のやり直しコスト」です。

CASTER BIZ recruitingでは、実務を巻き取ることで生まれた時間を人事担当者が学生の見極めや動機づけに充てられるようにし、内定辞退の防止にもつなげています。

実務代行にとどまらず、外部コストと内部コストを合わせた総コストを抑えるパートナーとして機能する点が特徴です。

・参照事例: https://recruiting.cast-er.com/case/infobahngroup/

CASTER BIZ recruitingの採用支援

CASTER BIZ recruitingは、リクルーター・応募者対応・原稿担当などのプロがチームを組み、採用戦略の立案から実務までを月額制で伴走支援するサービスです。

知名度やノウハウが不足していた株式会社イマクリエイトではスカウト設計等により開始半年で11名の採用に成功したほか、株式会社才流ではスカウト運用の標準化により面談数を約4倍に急増させ、株式会社タイミーでは実務外注により対話に集中し内定承諾率100%を達成した事例などが報告されています。

「指示をする・される」関係ではなく、相談しながら一緒に採用活動を前に進められるパートナーとして評価されている点も特徴です。

・参照事例: https://recruiting.cast-er.com/case/sairu/

新卒採用コストは「可視化」と「手法の見直し」で最適化しよう

新卒採用の一人当たりコストは、外部コストと内部コストを合算し、採用人数で割ることで算出できます。

就職白書によれば新卒93.6万円、中途103.3万円が一つの目安とされていますが、企業規模や業界によって差があるため、自社に近い条件と比較することが大切です。

また、コストが高騰する背景には、売り手市場の激化や内定辞退・早期離職、手法の検証不足、業務の非効率化といった複数の要因が絡み合っています。

単に広告費を削るのではなく、まずは自社の採用コストを外部・内部の両面から可視化し、費用対効果の低い手法を見直すことが最適化への第一歩です。

自社だけでの見直しが難しい場合は、CASTER BIZ recruitingのような採用代行サービスを活用し、プロの知見を借りながらコスト構造そのものを改善していくことも有効な選択肢となります。