この記事は累計300社を超える企業の採用業務を推進してきたオンライン人事サービス「CASTER BIZ recruiting」が、採用コストを抑えるためのポイントを解説していきます。
この記事を読めば、企業が採用活動を実施する上で持つべき視点と、採用にかかる費用を削減する具体的な方法が分かります。
採用コストを削減したいときに陥りがちな罠は以下の3つです。
それぞれ解説します。
一般的な採用コストの削減方法で「エージェント依存を脱却しよう」とよく言われます。
エージェント経由での人材獲得の費用は「年収 x 35%」が相場で確かに高額です。エージェント経由の獲得を他の手法で獲得できれば、採用全体の費用を抑えることにつながります。
しかし、安易なエージェントからの脱却は危険です。
重要度が高いポジションを採用する場合は、エージェントに依頼した方が良いことも多いです。
一概に「エージェント依頼をやめる」というのは短期的なコスト削減には繋がりますが、「いつまで経っても採用できない」「良い人に出会う機会を失ってしまう」というリスクもあります。
本当に必要なのは、獲得したい人材に適した採用チャネルを見極めることです。
採用費用を削減するには「スカウトにシフトしよう」とよく言われます。
しかしこれも安易な考えで実施するのはおすすめしません。
スカウトは、継続的に実施し続けると、スカウト候補者が少なくなり、枯渇していきます。
そのため、スカウトは短期的・中期的な施策であり、長期的な施策には向いておらず、スカウトだけに頼りすぎると将来的には苦戦していくことが想定されます。
スカウトを実施する際には「長期的な採用計画も合わせて考えること」が大事です。
採用コスト削減では「求人媒体の見直し」ということも良く言われます。
しかし、本当の問題は「効果的な運用ができていないこと」である場合が多いです。
「求人媒体を契約したけど、効果が出ないから別の求人媒体を契約。それでもダメだから別の媒体を契約。」と悪循環に陥っている企業が多いです。
求人媒体を見直す前に「運用を見直すこと」が最重要ミッションです。
求人媒体は「運用」で大きく成果が変わります。
採用のコストを抑えながら、採用を成功させるための具体的な方法は下記の4つです。
それぞれ解説します。
まず重要なのは「何のために採用するのか」を考えることです。
「会社がどんなフェーズで、どんな成長を描きたいから、そのためにはこのポジションが必要なんだ」と明確になるまで考えましょう。
その上で、「どんな人と働きたいのか」「求めるスキルや人柄」を深掘りしていきます。
そのためには採用するポジションのメンバーにヒアリングすることが必須です。マネージャーだけでなく、一緒に働くことになるメンバーにも必ずヒアリングしましょう。
その際に聞いて欲しいのが「うちの会社に入社する理由(入社したら得られるメリット)」です。
この情報は候補者にとってとても重要で、求人原稿やスカウト文面などで効果的な訴求をするために必要となります。
そして、関係各所とのヒアリングを通じて、「現場も採用の必要性を理解し、採用に対して積極的である状態を作り出すこと」を意識しましょう。
メンバー全員に当事者意識を持ってもらうことが、結果として採用コストの削減、そして採用成功のために非常に重要です。
採用の目的と人物像が明確になったら「採用計画」と「選考の設計」を行います。
採用計画
採用計画は、短期的・長期的の両方の視点で、どんな人を何人採用していきたいかを決めます。
この過程で「スカウトに依存しすぎると将来的に厳しくなるから、自己応募を増やす施策を考えておく必要がある」などと問題点を明確にします。
この過程を通じて、企業の目指す成長カーブに沿った採用計画を固めます。
また、後述する採用チャネルの選定にも繋がります。
選考設計
選考の設計では、「求める人材かどうかを判断するにはどんな選考が必要か」を決めます。
などを具体的に落とし込んでいきます。
CASTER BIZ recruitingで採用業務を支援している、ゆめみ様は採用の設計をとても具体的に行っています。
ゆめみ様では「目指すべき一次面接の姿」を下記のように定義し、社内周知しています。
目指すべき一次面接像は「勉強会のあとの懇親会」
一次面接は、「勉強会のあとの懇親会」のようなスタンスで話をするという姿勢が望ましい。
その上で、候補者が技術談義や面接官にとっても学びがある話ができる人であれば、自然に話が盛り上がり、候補者にとっての印象もとても良く、結果として魅力付になるという考えです。
引用元:ゆめみの中途採用プロセスを全て公開します(2020年上期:データ考察編)
選考の設計は、自社の業界でのポジショニングなどによっても変わります。
例えば知名度の高い、大手の企業の場合は、求人募集を出せばたくさん応募があります。
その場合は、よりターゲットに近い人材に届くよう求人内容を絞り込んでいく必要があります。選考スタイルも、候補者を見極める「足切り型」がメインになります。
一方、知名度の低いスタートアップ企業では、まずは候補者に興味を持ってもらうことが大事ですので、 一次面接から企業に魅力を感じてもらえる面接官を設定することも方法の一つです。
これらの過程を通じて、企業と候補者の双方にとってミスマッチのない選考フローを確立し、採用成功を目指します。
採用のミスマッチがなくなれば、採用コストの削減にも繋がります。
採用の設計ができたら次は採用チャネルの選定です。
採用チャネルは、採用要件・採用人数・採用時期・市場などによっても変わってきます。
例えば、採用難易度が高いポジションを採用する場合は、エージェントに依頼する方が良いことも多いです。
ポテンシャル重視で複数名を採用したい場合には、媒体経由で採用できるようにするのが良いです。
適切な採用チャネルを選定する方法は、採用の参考にしている同業他社をベンチマークし、どんな手法を実施し、効果がでているかを情報収集するのが堅実な方法です。
もしその企業の採用担当者と繋がりがあれば聞いてみるのが確実です。
しかし注意点としては、企業の採用担当者の場合、自社1社のみの情報であることが多く、利用していた時から年月が経っており最新情報でないこともあります。
採用の業界は常に新しいサービスがでているため、常に業界の最前線で情報をキャッチアップしなければなりません。
一番おすすめの方法は、複数の企業のデータを分析し、施策を提案できるサービスを導入することです。
≫「勘」ではなく「データ」に基づく採用活動が着々と進んでいる。
採用チャネル選定は採用コストに直結する部分です。採用チャネルの選定を間違えると、採用がうまく回らなくなる可能性が高いため、慎重におこないましょう。
もし採用チャネルの選定に悩んだらCASTER BIZ recruitingにお問い合わせください。
そして最後は「媒体の運用」です。
媒体は掲載したら終わりではありません。運用することで効果が大きく変わります。
「採用がうまくいっていない」という企業の大半は媒体の運用ができていないです。
媒体の運用は、利用する媒体ごとに特徴があり、媒体に合わせた運用をしないと成果が上がりません。
「媒体に合わせた最適な運用方法で、PDCAを回しながら愚直に運用し続ける」
これがもっとも重要です。
CASTER BIZ recruitingのクライアントの中に、「CASTER BIZ recruiting導入前にいくつも媒体と契約していたが全く成果がでなかった」というクライアントがいました。
しかし、運用状況を見てみると、どの媒体も全く運用がされていませんでした。当社の提案で媒体をひとつに絞り、集中して運用したところ、複数の媒体を運用していた頃よりも応募数が増えたという実績があります。
媒体運用だけで大きく成果が変わり、採用コストを大幅に削減することに繋がりました。
「採用コストが多くかかっているが、採用できない」と悩んでいる企業は、まずは媒体の運用に手が回っているか確認しみましょう。
≫CASTER BIZ recruitingの求人媒体の運用では何をしている?
以上、採用コストを削減するときに陥りがちな罠と、採用コストを抑えるための具体的な方法について解説しました。
エージェント依存の脱却もスカウトへのシフトも媒体広告費削減もコストを削減する「手段」であり、根本的な解決策ではありません。
一度、採用全体を見直すことが重要である場合が多いです。
採用のコストは「採用全体にかかる月間費用」 x 「採用までの月数」で決まります。
媒体費用やエージェント費用ばかりに目が行きがちですが、一番コストがかかっているのは「採用がうまく回っていない間の人件費」であることも多いです。
「採用がうまくいかない期間」をいち早く抜け出し、採用のフレームワークを構築することが採用コストの削減のためには重要です。
そのためには採用の体制作りが最重要ミッションです。
ただ、自社で採用体制を構築するにはパワーも時間も必要になります。
スピーディーに採用体制を確立する秘訣は、自社では人事の戦略設計を考えることに注力し、採用実務は外部パートナーをうまく活用することです。
という方はCASTER BIZ recruitingまでお問い合わせください。
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