公開日 2025.11.27 更新日 2025.11.27

リファラル採用は本当に万能?成功と失敗を分ける戦略的活用法

採用市場の競争は年々激化し、「自社にフィットする優秀な人材を安定的に採用すること」が難しくなっています。

求人広告の費用対効果は年々低くなり、ダイレクトリクルーティングは運用負荷が高い。

人材紹介に頼ると、高額な成功報酬が重くのしかかる——。

そんな中で注目されているのが「リファラル採用」です。

リファラル採用は、社員のネットワークを活用することで、文化親和性の高い人材を低コストで獲得できる手法として広まりました。

しかし実際には、「制度を作ったのに紹介が集まらない」「紹介者と候補者の関係性が原因で気まずさが生まれた」「派閥化など組織の軋轢を招いた」という声も少なくありません。

インターネット上では“リファラル採用 やばい”という検索キーワードも見られ、誤った運用によるトラブルが注目されているのも事実です。

本記事では、リファラル採用の基礎から、成功事例で語られない落とし穴、組織リスク、法的な注意点までを網羅的に解説します。

また、制度設計そのものは企業側が担う必要がありますが、制度運用の継続や改善において、採用代行(RPO)の一般的な助言や運用支援がどのように役立つのかも紹介します。

リファラル採用とは?注目される理由と基本メリット

リファラル採用(Referral Recruiting)は、社員からの紹介を経て採用につなげる手法のことです。

“Referral”には「紹介」という意味があり、欧米ではメジャーなチャネルとして長年採用されています。

背景には、採用チャネルが多様化する中で、

  • 求人広告の競争激化による応募数減
  • 応募の質の低下
  • 人材紹介の成功報酬の高騰
  • 採用ミスマッチの増加

といった構造的な課題があります。

社員が候補者の情報をある程度把握しているため、企業と候補者双方のミスマッチを減らせることが大きな価値となっています。

リファラル採用の一般的な流れ

リファラル採用の基本的なプロセスは以下です。

  1. 制度・ルールを社員へ告知
  2. 社員が候補者を紹介
  3. 求人票に基づき選考
  4. 内定
  5. 入社後に謝礼を付与(協力の感謝として)

一見するとシンプルに見えますが、制度づくり、社内周知、社員の動機づけ、候補者体験の設計など、実際にはさまざまな工数が存在します。

質の高いマッチングと定着率の高さが最大のリファラル採用のメリット

リファラル採用が注目される理由は、その「質の高さ」です。

企業文化への高い親和性

紹介者となる社員は、自社文化を最も正確に理解しています。

そのため、文化適合性が高い候補者を紹介してくれやすいという利点があります。

高い定着率

入社前から紹介者との関係性が存在し、会社のリアルな情報を得ているため、入社後のギャップが少なく離職率が低いとされています。

コストの低さ

求人広告の掲載費や人材紹介の成功報酬が不要なため、採用単価を大幅に抑えられます。

意外な盲点!リファラル採用のデメリットと注意点

メリットの大きいリファラル採用ですが、過度な期待は禁物です。

企業が見落としやすいリスクを理解しておかなければ、むしろ採用活動全体の不調を招く可能性もあります。

母集団形成の限界と偏り

社員のネットワークという限られた範囲の中で候補者が生まれるため、

  • 若手層に偏りやすい
  • 職種・スキルの幅が広がらない
  • 同質性の高い人材が集まりやすい
  • 大量採用には向かない

といった構造的な壁があります。

そのため、「どのレイヤーをリファラルで獲得したいのか」を事前に明確にしておくことが重要です。

不採用時の社内への影響

紹介された候補者が不採用だった場合、紹介者のモチベーションが低下し、

  • 次の紹介が止まる
  • 人事への不信感

などのマイナスが発生することがあります。

丁寧なフィードバックは必須ですが、それでも紹介者が心理的負担を感じるケースは多いものです。

制度運用の工数が大きい

リファラル採用は「制度を作れば終わり」ではありません。

  • 社員への継続的な啓蒙活動
  • 候補者対応
  • 進捗管理
  • インセンティブ管理
  • 社内コミュニケーション

など、運用面の工数が非常に大きく、人事担当者が疲弊するケースも多く見られます。

リファラル採用が“やばい”と言われる背景と法的注意点

検索サジェストで「リファラル採用 やばい」と表示される背景には、実際に企業が直面した組織トラブルが関係しています。

辞める時に一気に人が辞めるリスク(実話)

事業部長クラスが前職のメンバーを多数連れてきて組織を急拡大させたものの、その事業部長が退職したタイミングで十数名が連鎖退職し、会社が急速に崩れかけたケースがあります。

短期的には成果が見えるものの、中長期では“組織の安定性”を脅かす強いリスクとなります。

社内政治・派閥化のリスク(実話)

紹介で固まったチームが一つの派閥のようになり、

  • 部長と対立
  • 意思決定の停滞
  • 雰囲気の悪化

といった組織不全に陥った企業も存在します。

リファラル採用の報酬が違法になるケース

職業安定法上、許可なく「職業紹介の対価」を支払うことは禁止されています。

例えば、

  • 採用可否で金額が変動する
  • 成果報酬型で高額過ぎる

といったインセンティブは違法と判断される恐れがあります。

報酬は「協力への謝礼」とし、社会通念上妥当な金額に留めることが必要です。

リファラル採用を活かすための採用戦略の全体最適

リファラル採用は“万能薬”ではなく“強いが偏りやすいチャネル”です。

効果を最大化するには、適切な役割分担が不可欠です。

リファラル採用の役割整理

得意:文化親和性の高い即戦力・若手層

不得意:大量採用、専門性が高い職種、急募案件

採用ポートフォリオの考え方

求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、SNS採用など複数チャネルを組み合わせることで、採用リスクの分散と安定運用が可能になります。

強く持続可能な採用活動を支える採用代行(RPO)の活用

採用代行(RPO)は「制度設計を代行する」のではなく、

採用実務の負荷軽減と運用に関する一般的な助言

を提供します。

運用負荷の軽減と一般的助言が有効

RPOが担う領域の例としては、

  • スカウト送信
  • 求人媒体の運用
  • 候補者対応
  • 面談調整
  • 進捗管理

などがあります。

さらに、制度を形骸化させないための一般的な注意点や、他社事例から得られる示唆を提供できます。

※制度設計や報酬規定の策定そのものは企業側が行います。

採用担当者はコア業務に集中できる

運用を任せることで、採用担当者は以下のようなコア業務に集中できます。

  • 社内理解の醸成
  • 制度の改善方針の検討
  • 経営層との連携
  • 採用要件の精緻化

採用の質を高めるための時間が確保できます。

キャスターの採用代行(RPO)がサポートできること

採用実務の伴走と一般的助言

CASTER BIZ recruiting(株式会社キャスター)は、

求人媒体運用、ダイレクトスカウト、候補者管理、面談調整といった“採用実務”に強みがあります。

また、リファラル運用における一般的な注意点や、他社で起こりがちなトラブルに関するアドバイスも提供できます。

※制度そのものの設計・構築は企業主導で行う必要があります。

まずは無料相談へ

採用課題の整理、改善方向性のヒアリングが可能です。

CASTER BIZ recruitingへの問合せはこちら

まとめ

リファラル採用は、文化親和性の高さ・定着率の向上・低コストといった強力なメリットがある反面、母集団形成の限界や組織リスク、運用の複雑さといった課題も抱えています。

成功のポイントは、「リファラル採用を万能と捉えない」こと。

複数チャネルを適切に組み合わせ、採用を“全体最適”で捉える姿勢が不可欠です。

運用負荷を分散し、改善のための示唆を得る手段として、採用代行(RPO)は有効な選択肢です。

CASTER BIZ recruitingは、採用実務の伴走と一般的な助言を通じて、持続可能な採用体制づくりを支援します。