導入事例
CASE
苦戦の新卒採用。採用活動の見直しで母集団形成は前回の約4倍、
内定承諾の目標達成率は100%に
株式会社不二製作所様
1950年に創業し、「エアーブラスト※」と呼ばれる技術のリーディングカンパニーである不二製作所。その技術は自動車や飛行機、ロケット、スマートフォンなど、さまざまなところで使われています。同社は新卒採用を改善する目的で、2022年3月にCASTER BIZ recruitingを導入いただきました。
今回は人事担当の澤野さんとCASTER BIZ recruitingのリクルーターの井上に、2023年卒の新卒採用について振り返ってもらいました。
※圧縮空気の力を利用し、粒子(研磨材)を高速で噴きつけ、そのエネルギーで対象物の表面状態を変化させる加工技術。発明当初はガラス工芸などに使用されていたが、今では主に表面の性質や機能そのものを高めるための工法として、非常に重要な技術となっている。
- ・レギュラープラン
次の打ち手がない新卒採用の状況に危機感
澤野さん:もともとは前任が4年くらい1人で新卒採用を担当し、業務委託による採用代行サービスを利用していました。そのサービスは、大手採用媒体に掲載しスカウトを送ることが中心。反応が悪ければ送る量を増やすといったように、質より量といった印象でした。
その際、当社にはいつ・どれくらい・どういった内容でスカウトを送っているのか、それに対してどういう結果が得られたのかといった動きが見えづらい状況でした。振り返りの機会はあったものの、先方からのフィードバックは「各社厳しいですから」で終わってしまい……。次の打ち手を考える要素が不足していました。
ここ数年は母集団形成から苦戦。売り手市場が進めば進むほど状況が厳しくなるといった危機感があり、今年から新卒採用を見直すことになりました。
澤野さん:きっかけは『採用を科学する。』を読んだことです。当初は、外部の人に依頼すると状況が見えづらくなるため、社内で採用体制を整えて主導権は自社で持つ方がいいと考えていました。
ところが本の中で採用業務を属人化しすぎることもリスクであると書かれていて、それに興味を持ちご連絡したのです。その時は他社も含めて数社検討していたのですが、採用戦略の立案やプランニングも含めて一緒に採用活動に取り組んでいただけそうだと感じ、依頼を決めました。
初めてお打ち合わせをしたのが、 2022 年の1月。新卒採用ではかなり遅いスタートであることを認識していたので、従来の採用活動から変えられることはどんどん変えたいという思いでした。
井上:これまで大手媒体を中心に採用活動をされていたのですが、それだと不二製作所さんの存在が大手企業に比べて埋もれてしまいがちです。
不二製作所さんは「エアーブラスト」の技術がユニークで、自社サイトの内容も充実しています。学生さんに存在を知ってもらえれば、興味を持ってもらえると感じました。
近年の新卒採用のトレンドは企業からどんどんアプローチすること。スカウト媒体の運用は積極的に行いながら、スカウトを送る相手をこれまでと変えることを提案しました。その時立てた仮説は「4月の時点で事務職を希望する文系の方は、職種と福利厚生を重視しているのではないか」ということ。
そのため、「メーカー希望」としていない方にも積極的にスカウトを送りました。また、カジュアル面談を主とした採用フローへの切り替えもご提案し、就職活動中の方となるべく話す機会をつくっていただいたのです。
学生さんと話す時間を増やし、成果につなげる
澤野さん:井上さんの作戦勝ちと言いますか、これまでうちにはあまり興味を示してもらえなかったような人と出会うことができました。
従来は「メーカー」「中小企業」「老舗企業」で探している人が中心だったのですが、今回の選考フローでは「機械系のメーカーは見ていなかったけれど、興味を持ったので来ました」「メーカーの選考は初めてです」という方が多かった。「(メーカーは)不二製作所以外は見ないかもしれない」という人もいました。
カジュアル面談は工数がかかるので大変な面もありましたが、当社の説明だけではなく、学生の方の悩みを聞く相談会のような内容にしたことが採用結果につながっていったのだと思います。
澤野さん:今回、7月の時点で母集団形成は理系54名、文系59名となり、内定出しをしたのは、理系新卒が7名、文系新卒が6名でした。最終的に内定承諾まで至った人数は、当初掲げていた理系4名採用という目標を達成する結果になったのです。
前回は母集団形成で30名いかないくらいでしたし、内定も文理両方合わせても片手で数えるぐらい。成果が出たと言えます。
アプローチ方法や面接の雰囲気づくりなど、採用の土台形成に
澤野さん:情報の共有がすごくスムーズでしたね。データを見せていただいた時に、こちらから「こういう数字が出ているから、ここを改善した方がいいんですかね?」みたいなことを言わずとも、井上さんから「ここの数字がちょっと下がっています。改善のためにこうするのはどうでしょうか?」「ここはいい傾向なので続けていきましょう」といったように、ネクストアクションが明確でした。
井上:今回の新卒採用で成果が出たのには、澤野さんが社内調整を2日以内に行ってくださるなど、スピーディーな対応も要因にあると思います。週次MTGで状況を共有し、ネクストアクションに対して許可をいただいてから実行に移すのですが、すぐに対応できました。
澤野さん:提案内容を社内で判断しやすいように整えていただけていたのもあると思います。AとBの2つのアクションが取れる場合に、 それぞれのメリット・デメリットを提案の段階で含めていただいていたので、こちらが情報を洗い出す必要がなく決めやすかったです。
あとはミスが発生した時の対応も安心感がありました。「申し訳ございません。気をつけます」ではなくて、「こういう理由で問題が発生したので、今後はこのように体制を変更して、二度と発生しないようにします」と言っていただいたのが印象に残っています。
お願いしたい業務を確実にお任せできる安心感につながり、自分が取り組むべきことに集中できました。
井上:変化を受け入れるのが上手なところだと思います。今回の新卒採用では、澤野さんがこれまでとは違う手段を積極的に取り入れてくださっています。一次面接後に澤野さんともう1名のご担当者で、面談してみたらどうでしょうか?と提案したところ、たしかその次の週から実践されていて。学生さんと話す機会を増やしたことも、成果につながっていると感じます。
澤野さん:もともと一次面接が堅苦しい雰囲気だったこともあり、井上さんの提案を受けて学生さんが話しきれなかったことを聞くために面談でフォローするようにしたんです。今は一次面接をもう少し柔らかい雰囲気にして、最終面接後にフォロー面談をするようにしました。採用における“場づくり”の重要性を感じましたね。
澤野さん:これまでずっと手探りだった採用活動をイチから教えていただき、その土台づくりをしていただいたと感じています。来年度の採用活動はさらに磨きをかけ、エアーブラストをいろんな人に知ってもらい、共感してくれる人と一緒に働きたいですね。
エアーブラストの技術は、まだまだ可能性が残されていますし、これからもどんどん用途や業界を開拓していきたいと思っています。これから先も、その技術を通じてどれだけ社会に対して貢献できるかを会社全体で考えていきたいですね。